20080208

僕とブログ(やり直し)


余一氏に「僕とブログ」を読んで頂いたところ、

もっと詩的で儚い感じがいいな。

と言われ、再提出を命じられました。
少しカチンときました。
以下本文


「僕とブログ」(詩的で儚い感じ)


駆け抜ける喜び、それがブログ。

キーボードから電流の匂いがほのかに香ってくる。
その香りは僕を遊女のごとく誘惑し、
その電圧はときに私の胸を締め付けようとするが、
僕は断固としてログアウトするわけにはいかない。

信じれるものなどこの世界には無い。

マウスの感覚だけを頼りにダブルクリックする。
嗚呼、此処こそが我が家かもしれない。
IDとパスワードという鍵で玄関を開ける。

娘がおぼつかない足取りで走ってくる音に少し遅れ、
パタパタとスリッパで駆けてくる妻の音が聞こえる。
メガネを鼻の上に押し上げ、息を大きく吸い込み、
喉のエッジを嫌というほど効かせてまずはこう言うんだ。

『ただいま』

喉に心地いい震動が走る。
どうやら今日は体調がイイみたいだ。
まずは娘を抱きかかえてやろう。
お腹が空いた。温かいご飯が食べたい。
今夜の献立は何だろう。

返事は無い。

聞こえるのは静かな機械音だけである。
目の前にはいつも通り、四角形のモニターが立ちはだかっていた。