昨日ご紹介しました岩木山登山ツアーの直後、
余一氏はその足で白神岳へ向かったそうです。
岩木山下山が夜になってしまっていたので、
深浦町の防波堤近くで車中泊をし、翌早朝に白神岳登山口に。
意気揚々と登り始めておよそ1.2km地点。
そこで余一氏は出会ってしまいました。
以下、余一氏の報告。
整備された登山道、その左カーブを曲がった。
洗濯機くらいの真っ黒い後ろ姿が勇猛に20メートルくらい先を歩いていた。
立ち上がれば俺と同じくらいの身長だろう。
本州のツキノワグマなら十分な大人だ。
クマ除けの鈴は付けていた。
それでも出会ってしまった。
俺はスグに立ち止まり、今度はクマ鈴が鳴らないよう手で押さえ、
ゆっくりと後ずさりした。
気配を察したクマがゆっくりとこちらを振り返る。
クマの凛々しい横顔が見えた。
俺はそれに見とれるわけにもいかず、
クマの動きに合わせてゆっくりと後ろを向き、足早に逃げた。
ついて来ていないか、ちらちらと振り返りながら来た道を戻る。
写真も撮る余裕もなかった。
腕の毛がずっと逆立っていた。
野生の塊に対峙した、それと逆ベクトルを歩む人間の微々たる野生の名残。
下山後、スグに警察に連絡したよね。
ということで新聞にも載りましたね、余一氏。
益々、私はヤマに対して億劫になってしまいました。