20111013

災いと恵み

先月の台風被害で大規模な増水をひき起こした馬淵川。
余一氏のふるさとの象徴とも言える川です。

町のシンボル的存在だった吊り橋は破壊されて、
未だに川に沈んだままです。

当然、川縁には増水で流れてきたゴミが散乱しています。

そんなゴミの中へ果敢に入っていく男の影が。
もちろん余一氏ですね。

そして中から使えそうな廃材を抱えて戻ってきます。
やっていることは姑息ですが、西日が当たり輝いて見えます。

こうして様々な部材をゲットして軽トラに積み込みます。
この日、ゲットした分はこんな感じです。

ご存知の通り、世の中には恵みと災いがある。
その二つは決して等しく起こるわけではないんだけど、
生きてる以上、それを受け入れないといけない。
都合良く恵みだけを貰うってことはできない。
かといって災いに屈するのも面白くない。
だから俺はちょっと動くぜ。


さしずめこれは災いの中から恵みを見出す作業かな。
クリーン作戦でもあるし、リサイクルでもある。
浄化でもあるし再生でもある。
むしろ災いにはそんな役割があるようにも思えてくるね。

と余一氏は大層な言葉を並べておりました。

こないだのさ、
柿渋液を入れていた焼酎ボトル、
あれもここの川縁で拾ったもんだよ。
柿渋液ってのは防虫、防腐効果のほか、
加熱を必要としない優秀な染料になるんだ。
柿は家の裏に生えてるもんだし、
ボトルも拾って来たもの。


すげぇ…全部タダじゃねぇか。
まさに「恵み」だね。

なんとあの「渋い作業」というものは柿渋液作り。
そしてボトルまでもこの川縁で拾ったものだったとは。

この日ばかりはこの男のケチな根性に感服しました。