余一氏は元気にyamaanで土起こしをしておりました。
今度はyamaanのワイルドエリア、通称「スパルタン」に着手しておりました。
たしかここは「耕さない」をモットーにした自然放任畑だったはず。
自然放任農法はどうするのでしょうか。
ワイルドに農作物を作るワイルド農法、かれこれ数年間やってみたけど、
あれじゃどうにもこうにも収量を得ることができないんだよね。
ネギやマメ科の野菜はそこそこやってくれるんだけど、
他は話になんないくらい、ことごとく他の草に負けていくよね。
さらには昨年あたりから大発生しているハムシ。
観察したところ、あれはこういう草むらが大好きで、
そこでガンガン葉っぱを食べつくし、交配して卵を産んで翌年に孵化。
つまりこのままじゃ、ずっとハムシの巣窟になるわけよ。
だからまずは土起こし。
これからの季節の寒風にハムシの卵たちをさらすことにより、
来年孵化してくる個体数を減らす。
そして草むらにしないことにより、
来年春に孵化してくるハムシ幼虫の食べ物を減らして成虫になる個体を減らす。
最後は夏に成虫を「菩薩掌」でやっつける。
この作戦で来年はちゃんと作物を作れるような気がするんだ。
と余一氏。
事実上の方向転換を示しておりました。
とは言っても草むらになった場所を人力で耕すのは容易ではない様子。
余一氏は掘り起こした雑草を見分けては取り除いていきます。
キク科の多年草「ヒメジオン」。
コイツを放っておくと来年また戦う羽目になるんだ。
生命力は強いわ、よく増えるわ、越冬するわで大変さ。
さらには根からアレロパシーっていう、
他の植物の発芽を抑制する成分まで分泌しやがる。
そう余一氏はブツブツと説明しながら作業を進めていきます。
鋤(すき)を振り下ろせばカチカチとぶつかります。
どうやらこのあたりはかなり石が埋まっているようです。
石もとりあえずは目立つ、大きなものを取り除いていきます。
なかなかに果てしない作業。
これをひたすら畑全体に対してやっていきます。
「寒起こし」っていうらしいね、この作業。
土を寒風にさらすことで病原体や害虫を減らせるとのこと。
さらに冬場の凍結と解凍を繰り返すことで土が団粒化して通気性が増します。
これを雪が降るまで繰り返すと言っている余一氏。
実家のトラクターでやればあっという間に終わる作業だと思いますが、
鋤を何度もこのyamaanの土に振り下ろしております。
うーん…この人、やっていることはとてもムダですが、ある意味尊敬します。